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診断エラー

毎日毎日、問診、既往歴、理学的所見、画像検査、血液検査、
その他の検査を駆使して、診断を行っています、
全て正診出来れば良いですが、そうはいきません、
診断エラーが忍び寄ります、

救急外来は、他の部署に比べて診断エラーの危険が高い環境です、
理由は、

  1. 診療に掛けられる時間はせいぜい数時間
  2. 初めて出会う患者
  3. 事前情報が少ない
  4. なかには意識障害のため問診が出来ない
  5. 各種、多数の疾患がある(1000以上)
  6. 非典型例がイッパイある
  7. 同時多数患者搬入もあり
  8. 併存疾患がある

ゆえに、診断エラーが起こりやすい環境

診断エラーの発生する要因は、

  • 疲労(睡眠不足、仕事量が多すぎる)
  • 患者に対する陰性感情(救急で診察する必要ない軽症患者だ・・)
  • 診察時のフローでエラーしやさいパターンがある、 
    ・ひとつの事をしているときに別件が入る
    ・引継ぎ患者
  • 最初にたてた仮説に固執する(心不全に違いない)
  • よくある疾患を想起する
  • 前医の診断を信じる(心不全の患者紹介します)
  • 自己の仮説に適合しない所見は無視(心不全に違いない、しかしCRP高値、まあいいや・・)
  • 楽に処理できる仮説に飛びつく=仕事量が少なくなる⇒帰宅指示する

例えば“84歳女性、嘔吐”という情報で患者が搬送されてきたとき、
脳外科医はSAH、消化器内科医は胃潰瘍、循環器医はAMI、腎臓内科医は腎不全、外科医はイレウス・・、といった具合に、それぞれ専門領域に対応した疾患を想起します

しかしこれは典型的な先入観バイアスであり、診断の幅を狭めてしまう危険を孕みます。
初期対応においては、各科の思考様式を自覚しつつ、広汎な鑑別疾患のある事を考慮することが重要です

そのために「最初に発見した事は一旦忘れる」のもコツです、
例えば、顔面の大きな創が有った時、
その傷の事は忘れて、

  • これ以外の他の外傷がないか?
  • この外傷は、内因性疾患から発生していないか?
  • この外傷により内因性の疾患が発生していないか? を考える

*30ヶ月2560名の交通事故例のうち 内因性疾患によるものは、
14名(0.89%)で、心室細動4名、てんかん3名、 SAH2名、低血糖、肝不全、大動脈解離、迷走神経反射、気管支喘息各1名、

昔、東大内科の沖中教授が退官講義で、剖検所見と突き合わせて、
生涯の誤診率が14.2%と言われたとき、
一般市民は、その多さに驚愕し、
医師は「流石に沖中先生」とその低さに驚愕した、

「スポットライトの視野ではダメ」

「大きく網を広げて、一匹も逃がさない」

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