消えたもの・・・、
三省堂の国語辞典から消えたものばかりを集めた辞典?があります、
曰く、「企業戦士」「トラバーユ」から始まって、
「コギャル」「ガングロ」「ファミコン」「ラジカセ」「キーパンチャー」「アフター5」「朝シャン」「チョッキ」「ホコ天」「ディスコ」・・、
どれもこれも納得です、
パソコン系では、
「フロッピイ」「一太郎」「ワープロ」「MD」「ISDN」「IBM」「WINDOWS95」「DOS」「ダイナブック」「PC9800」「8ビット」・・、
皆さん知ってますか?
知っていれば40歳以上?
さて、医学の世界では・・、
過去にもてはやされた戦略、治療、薬剤、
多くのものが、荒野に累々と屍になっています(私見)、
薬剤過量服用患者への血液浄化療法、集中治療患者への肺動脈カテーテル挿入、熱傷患者へのHLS輸液、バイオブレーン貼付、バンコマイシン入りの接着セメント、脳死への低体温療法、多くの抗DIC薬剤、重症肺炎へのステロイド、敗血症へのエンドトキシン吸着療法、精神疾患への高気圧酸素治療、下肢挙上のショック体位・・・・、
完全に否定はされていなくても、”推奨されない”、”今後の研究が待たれる”、”本当にそうなの?”、”否定するデータもあり”は、イッパイ、
特に、日進月歩の激しい中毒の世界では、多くの変更点があります、
昔の常識が今の非常識になります、最新の変更点を述べます、
注意しましょう、
(1) グルホシネート;尿中に早期に排泄されるので血液浄化法は無効です、
(2) 有機リン:全ての教科書にPAMの効果、投与必須と書いていますが、有益性の根拠は不十分、全く投与しない施設もあります、
(3) 一酸化炭素:間欠型意識障害予防への高気圧酸素治療の評価は確定していません、高気圧酸素治療施行可能施設を求めて転送先探しで時間を無駄にしないで下さい、
(4) 界面活性剤;一般に毒性が低いとされていますが、濃度の高いものでは消化管穿孔の可能性もあり油断は出来ません、
(5) カフェイン:この中毒の発端となった、エナジードリンクでの死亡例が過去に報道されましたが致死量から考えると死因とは思えません、
(6) タバコ:無煙であるために何となく安全視されますが、新型タバコもニコチン量は同じなので安全なことはありません、
(7) トイレ洗剤:口腔粘膜が正常でも消化管損傷のある場合があるので注意しましょう、
(8) 次亜塩素酸:安全神話が有りますが決して100%安全なわけでは有りません、肺障害が発生する場合が有ります、
(9) ボタン電池:過去の通説に惑わされないで最新のガイドライン(ESPGHAN)に沿った対応を行いましょう、消化管穿孔の可能性が有ります、
(10) 有機溶剤:全てシンナーであると思い込まないでください、違うものも多いです、依存性や再燃性離脱症状は無いと言われていますが、実はあります、
(11) メタノール:従来言われてきたエタノール飲用(アルコール酒類の飲用)による治療は、誤嚥や消化管出血の副作用があるのでやめましょう、
(12)毒キノコ:以下の良くある記載は全て間違いです、曰く、縦に裂けるキノコは無毒、色が地味なキノコは無毒、虫食いのあるキノコは無毒、茄子と煮るとキノコは無毒、塩漬けしたキノコは無毒、信じないでください、
(13)マムシ咬傷:効果が無いのは、緊縛、乱切、吸引、セファランチン投与です、絶対視される抗毒素血清投与も必須ではありません、血清病の発生率(3%)と年間の死亡数(3名)を比較して非投与も許容されます、
(14)危険ドラッグ:従来の違法薬物より安全であるというのは間違いです、ただ、届出義務は無いので、考えなしに届出してはいけません、
(15)精神神経用剤:以前は、除去可能な薬剤であること、重症であること、排泄障害があるとき、は、施行して良い、でしたが、実は、患者の予後改善、罹病期間の短縮などについては、明確なエビデンスが無いため、安易に施行してはなりません、
(16)アセトアミノフェン:肝障害の発生に注意せよと言われていますが、服用直後には出ません、また、意識障害は全く起こしませんので、見逃しに注意しましょう、
いつのまにか、自身の持っている考えが古い概念になってしまっている場合があります、
常に自身の頭の中を見直していく必要があります、
自戒!自省!
怖い、怖い・・・
「最近出た雑誌にも治療の“振り返り”特集有り」
「良くある”ホントなの?”論文、皆が疑問点の再確認を行っています」
「私自身も疑問を持っている造影剤腎症の否定論文を訳して皆に配ります」
「今年の1月にもまたまた出ました造影剤腎症の否定論文、有名な英文誌に取り上げられる=未解決である、ということは間違いないと思って