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【CPAと蘇生】

ERの宿命として、CPA患者と蘇生への大きな係わりがあります、
過去に5000名以上診てきました、
色んな思いが有ります、
医学的なこと、また、家族看護などの情緒的なこと、

ベテランの味が輝く領域です、
チビは大慌て、右往左往、バタバタバタバタ、ドタバタドタバタ、
古狸(ベテラン)は、騒がず、慌てず、粛々と・・、
ドタバタ救急嫌いです、救急は粛々と行うものです、

何千例を経験、研究、分析して、
no return point のあることを学びました、
私の研究と違う地域の1500例の2つの研究で
そっくりの結果がでました、普遍性と思いました、
その類似点は、
神経障害全く無しで社会復帰出来る人は3%前後で、
その必須条件は、
60歳以下、目撃者有り、病院前心拍再開、Vf、心原性の5つです(写真)、
逆に、これが揃わないと復帰できません、

血液データでも同じ限界が有ります、
絶対に復帰できないのは、カリウム10以上、BEマイナス20以上、
乳酸100以上が揃った場合はreturnできません、

例外は2例経験しています、
1例目は11℃の冬の海水溺水、15分間沈んでいたCPA、回復しました、
2例目は47歳男性、路上生活者、25℃の低体温症のCPA、回復しました、
何れも低体温です、

蘇生チームのリーダーは正しい決断のもと、蘇生の中止を指示しましょう、
美談のように3時間やって、肋骨バリバリ、血気胸、時には肝破裂、胃破裂、助かりません、30分がreturn可能のリミットです、
それを超えての心拍再開の有用性はありません、
長時間のCPR援助のためとしての自動マッサージ器の使用も止めて下さい、
あれは熊殺しの締め技器具です、
内臓破裂します、

また、CPA患者の死亡確認後の検案依頼が有りますが、
習慣的に無配慮に全例にやるのは止めましょう、
国の施策としても自動的な依頼を行わないことを推進しています、
それと同時に死因究明の必要性が言われています、
本邦の”死因第3位は老衰”はオカシイ、と海外からも指摘されています、
死因究明には、画像診断と血液検査が必須です、
いわゆるマクロの解剖は万全ではありません、
骨盤骨折見逃します、横紋筋融解症判りません、
必ず、治療の一環として”生存中=死亡判定前”に撮像してください
死亡判定後ではAIになります、

本邦でのCPA発生場所の第二位は、老人施設です、
昨今では、入所時に心肺停止時の対応を聞きます、
「DNAR」を選択する人も多いです、
なのに、一旦心肺停止した際に泡を食ってしまって、救急車を呼びます、
すると、現在の救急法制度では何がなんでも蘇生を行わねばなりません、
後で駆け付けた家族から責められます、本人の意思が無視されます、

この対応としては、
患者の希望が判りやすいカルテの作成、施設のスタッフの教育、
かかりつけ医に連絡して蘇生を中止させる方策が東京消防では行われていますが!当該の医者が捕まりません、45分経つと”GOサイン”になります、
判定可能医師の増員
などです、

本邦独特の冬場に多い、入浴関連のCPA、
発生場所の第三位です、
毎日入浴、毎日洗髪、”当たり前”は日本だけ、
以前イギリスから留学に来た若いお嬢さん、
髪なんて毎日洗わないわ、と、言われて、ビックリしました、
身体への重大な負荷がある入浴、脱衣場と入浴の温度差、
予防策が必要です、湯温を下げること、半身浴にすること、脱衣場の暖房、
そして、日中の監視入浴です、

また、発見時に浴槽に沈没してたからとして、溺死としないで下さい、
監察医のあるところで全例を検案すると、
82%が、心筋梗塞、脳出血、SAHでした、
外因死になると、全て検案対象となり、家族が大変です

蘇生は長い間論争されてきた学問です、
蘇生法は、旧約聖書にも書かれています、
預言者エリシアが、死んだ子供の上に乗り、体を温めて、
口の上に口を当てたところ生き返って、部屋を歩いたという記載が有ります、
口体口呼吸の先駆けではないかと言われています、

その後も、1500年ころにはふいご法が、また、逆さ吊り法、樽ころがし法など、
一見奇想天外ですが、後年の人工呼吸につながるものが出ましたが、
いずれも忘れ去られていきました、

1890年には歯科麻酔の際の心停止に胸骨圧迫による蘇生が成功したことが
報告されましたが70年間忘れ去られていました、
1960年にコーエンホーベンによって電気ショック時に用いるパドルによる
胸部の圧迫が蘇生に有効なことが発見され、
その後、胸骨圧迫による蘇生術が開始され、
心停止時に蘇生術が一般的に行われるようになりました、
また、その後ありとあらゆる蘇生法が始まりました、

その反面、1974年に死が不可避であり蘇生が無益と考えられるような患者には
蘇生を行わないというDNR指示という概念が始まりました、
毎年改訂が有り、2000年には、通常医療は全て行い、
CPRのみ行わないことを強調するためにDNARという名称に変更されました、

本邦にも導入されていますが、通常医療の差し控え、
終末期医療との混同、部分的蘇生など、
誤解、誤用、無理解、暴走が指摘されています、

今のCPA対応の大問題です、
皆が四苦八苦しています、
正しい知識を持って対応を行いましょう、

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「CPAの社会復帰条件、2つの研究が余りにも酷似しているのが怖い」 

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