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季節と救急

夏は終わり次は冬、
救急外来も衣替えします。
熱中症用の扇風機から低体温症用の「ウオームタッチ」配置へ。

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冬になると扇風機は仕舞って、低体温症用のウオームタッチの準備へ

救急疾患には季節特異性のものがあります。
巷間言われる「脳卒中や心筋梗塞は冬に多い」、
研究結果が異なります。母集団の差だと思います。

全国の救急搬送の合計を出しても正解になるとは思いません。
研究Aでは、12月と1月が多い。

研究Bでは、心筋梗塞は5月に多いというデータがあります。
私も、心筋梗塞=冬という印象はありません。
2つとも、季節差は無いと思っています。

原因は急激な温度差と言われていますが、今のジャパン、夏は暑い、冬は寒いでしょうか?
否です。
夏の映画館で震えたことありませんか?
冬の居酒屋で、上着を脱いで、シャツ1になったことはありませんか?
エアコン完備のジャパンには、この2つは無いと思います。

但し冬の呼吸器疾患増多はあります。
台風、大雨の時に自転車事故は増えます、
強風でマンションの玄関ドアを管理人が閉めに行って、風でドアが開いて、頭部外傷有りました

熱中症、熱中症狂騒曲があります。
なんでもかんでも熱中症。
今年の夏も、熱中症と思ったら、
肺炎、肺癌、ACS、COVIDが7名もありました。

熱中症狂騒曲、なんでもかんでも熱中症

同じく笑うのが、「昨日の熱中症は254人が搬送」の報道。
リアルの数はその1000倍、考えのない報道です。
熱中症で注意するのは、近年発案された日本版重症度分類。
実際の臨床と乖離が激しいです、全く役に立ちません、使用しないで下さい。
欧米で使用されている、熱失神、熱痙攣、熱疲労、熱射病、使いましょう。
冷却法も、間違っています。
必ず見受ける腋窩、鼠径部へのアイスパック効果は薄いです。
最強は「氷風呂」ですが、実施は困難、過冷却のリスクもあります、

有効な冷却法、わきの下のアイスパック、無効です

手軽で効果があるのが、40℃の温水のスプレーを掛けて扇風機で蒸散させる、
来年はやって下さい。
季節の風物詩の救急疾患もあります。
有名な夏の海水浴による溺水、
体育祭のときの組体操での転落、骨折、
お正月前には、彫刻刀での切り傷、
家庭科実習のミシン縫いでの針の指刺創。
正月の餅喉詰め、あれはマスコミの噓です。
喉詰めは1年中あります。
原因となる物質は、イッパイ。
餅なんて極僅かの原因物質。
プチトマト、食パン、タコの刺身、手巻き寿司、きゅうりの漬物。
いくらでも他の原因が有ります。

低体温症の注意。
乱暴に扱うとすぐに心室細動起こります。
カテコラミン使うと心室細動起こります。
逆にCPAになっても、ROSCします。
低体温でのCPA、
15分間海水に沈没しても、冬の海だと戻ります。

低体温はときに奇跡をもたらす

路上生活者の行き倒れ、体温24℃でも戻ることあります。


この類の研究では、天候、気温は勿論の事、月の満ち欠けとの相関を見たものもあります。
人類は、やはり、太古の時代から季節が大切な因子だったんですね。

”引き潮の時に人が死ぬ”
”月が満ちて子が生まれる”

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