過去40年間新人医師を育ててきました(誤った道にも誘いました?)、
勿論私も育てられました(大昔)、
指導医と入局したチビ医師の何組かのペアが生まれます、
1年間どっぷりと両者がタッグを組みます、
昔はドイツ語でオーベン、ウンテンと言いました、
上と下です、師弟関係です、
医療界独特のシステムです、
逆に、ある程度医師年数を重ねると「オーベン」になります、
メチャ嬉しい日です、責任も感じます、
他のペアに負けるもんかと張り切ります、
尊敬すべき忘れられないオーベンいます、
逆に全く放置するオーベンもいます、
問題点があります、EBMが生まれたきっかけでもあります、
オーベンは皆それぞれが勝手な「自論」を持っています、
経験技の最高峰である「医療業界」、
前にも書きましたが、5000例見た人のエクスペリエンス力(ちから)、
エビデンスとは無関係な重みが有ります、が!
細部ではいろいろ問題が有ります、
眩暈患者50000例見て、脳梗塞500例見つけた人の自論、
「眩暈患者はMRI必ず撮れ」指導、
実際に脳梗塞が見つかると「ナッ!言った通りやろ」、
小さなお子さんが軽い頭部打撲、元気に走り回ってる、
「頭部打撲は必ずCT撮れ」指導、
実際に頭蓋骨折が見つかると「ナッ!言った通りやろ」、
鼻高々です、
チビは悪の道に進みます、
ある人は、単純レントゲン重視派ですが、
私はなにがなんでも造影CT崇拝者です、
何でも造影CTとります、
大動脈解離が見つかると「ナッ!言った通りやろ」、
ドンドン悪の道に進みます、
逆らえません、また、逆らわせません、
教え方も難しい、
はじめてオーベンになって持った最初のチビの教育、
何から何まで手取り足取り、全部代わりにやりました、
二人羽織式です、
1年終了時にほったらかしオーベンのチビは一人で輸液メニューが組み立て
られた、でも、うちのチビは出来なかった・・・、
護衛船団の欠点がでました、
スパルタ教育法もやりました、
医師一日目に食道静脈瘤破裂の吐血例を当てたら、
スポイルしてしまった、
最初は、頭部打撲、下腿挫創、腹痛くらいが良いです、
反省!です、
1年間朝から晩まで何もかも一緒、
患者診るのは当たり前、
一緒にカルテを書き、臨床推論教え、理学的所見の取り方教え、縫合、整復、CV入れ、気管挿管し、血液透析し、
喜んだり、苦しんだり、泣いたり、怒鳴ったり、
昼メシから外食から遊びから飲み屋から、何もかも一緒、払いは全て私、
宴会ではチビが飲めない酒を代わりに飲みます、
一心同体です、
オーベンには感謝イッパイ、言うことは絶対服従と思っていたら、
スタッフからチクりあり、
チビが“ウットオシイことバッカリ頼みやがって”と、言ってましたと、
ガックリでした、
でも「親の心子知らず」とは思わずに、
自分の思い上がりを戒めました、
いまなら”働き方改革”でしょうか、
労力の分散のためにチーム制も発足しました、
担当医時代は患者のためならひと月25日泊まり込みで治療しましたが、
チームになると薄れます、
個人的には、チーム制度嫌いです、古臭い男です、
何年か後の同門会の時にチビから言われます、
”あの時の先生のあの言葉忘れません、その後もズートそうしています”、
スマン、覚えてない・・、
現在の私は、幾つかのルールを持って教えています、
まず、積極的に「〇〇したいです」と言われたら、「はいどうぞ」です、
もう一つは、手技の基本は、山本五十六のもじりで「やってみせ やってみせ やってみせ 言って聞かせて させてみて 褒めてやらねば 人は育たず」
です、
最初からさせてみて、能力開発するパターンもありますが、
それでは失敗を多数経験することになります、
成功体験を沢山積ませたい、
またゴールドスタンダードを数多く見ることは正しいことを学びます、
間違いのない道を進みます、
だから神業を見せます、
私、ブラインドで鎖骨下静脈穿刺、1分で出来ます、失敗しません、
子供の肘内障10秒で整復します、
でも、当たり前すぎて、
皆が感動してくれないのが悲しい、
私の技を見ていた看護師の母が入院、
担当医が中心静脈確保に30分掛かったと文句を言っていた、
30分は早い方ですが・・・、可哀想です。
まだまだ、技、知識、経験磨きます、
簡単には追い越させません、
へへへへ・・・、
「手取り足取りの指導法」
「山本五十六の語録の原本」
「手取り足取りやらせる方法」