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【Sくんリターン!】

待ってました!
離島診療に今年の1月から与論島へ出張していた、
Sくんが帰って来ました!
嬉しい!

徳洲会グループのひとつの地域貢献活動として、
医療資源の乏しい僻地、離島の医療支援を行っています、
一時期彼を失うのはメチャ辛いですが、送り出しました、
与論島は、面積20平方km、人口5000人の、風光明媚な沖縄近くの離島です(写真)

派遣中の仕事としては、島内唯一の与論徳洲会病院(80床)で(写真)、
入院患者、外来患者、救急患者診療、訪問診療を行いました、
手術が必要な重症患者は、本島へヘリ搬送します、
今回45歳の重症の脳出血の患者の搬送を経験しました(写真)、
夜間だったのでドクヘリではなく自衛隊の輸送機を使いました(写真)、
年間20名ぐらいの搬送があるそうです、
緊張したせいか、終わった後、臨時泊した沖縄のホテルで嘔吐しました、

よく頑張り自身のスキルアップも含めて成果を上げて帰って来てくれました、
当院にとっても名誉です、

彼がいると、二人三脚一心同体のER診療になります、
他にも同じ状況の医師がいます、が、
彼とは「阿吽(あうん)の呼吸」でやれます、
何も言わなくても粛々と進行します、

背景はER業務の特殊性です、
予約診療のように「30分ごとに一人の患者を診る」とは違います、
同時に多数の患者が並びます、

10名の救急患者への対応が必要になった時、彼との分担は、
初期対応は私がします、患者を迎えて、臨床推論を立てて、
検査をオーダーします、
次から次へとオーダーします、スタッフに業務を指示します、
その後、別々の時間の流れでデータが集積します、
これが、診療側にとっては厄介、
CT画像は入手したが血液検査結果はまだ、
血液検査項目の入手もバラバラ、
患者が多数、色々な処置も有るので、じっと一人の結果を待っているわけにはいかない、

Sくんがデータを評価します、
そして、それぞれの患者の結果をアトランダムに教えてくれます、
それが入ったところで、私が、患者説明、投薬、処置を指示して、
実施します、

例えば、子供さんの頭部外傷、
画像が、彼によって「異常無しです」と評価されると、私が母に説明、
創について縫合が必要な場合、私が説明してオーケーをとります、
その間に、彼がセッチングします、器具、糸針、消毒、麻酔剤、
私が縫合する、彼がする、

Sくんが、カルテ記載、次回の予約、投薬を書きます、
煩わしい、入院申し込み、必要な手作業を彼がする、残れば私がする、
全部阿吽の呼吸です、
これだと同時に10人来ても大丈夫、分担して捌けます、

彼は中国出身です、日本の救急に憧れて来日、医師免許を取った男です、
この頃多い中国人の方の来院、
その時は彼の独壇場、彼の最初の一言で患者の顔に安堵感満載になります、
此方は、傍観者・・

そんな彼の凄いのが、奥ゆかしいこと、
一時期(今も?)インバウンドツーリストの悪評がありましたが、
彼を見ていると、あり得ない!と思います、
私が勘違いしていると、私が恥をかかないように、
何気ない素振りでそっと教えてくれます、
例えば、今日のCTだと思って去年のCTを診ているときが有ります、
「オカシイナ、何もないなあ・・」と困っていると、
彼が「患者さん、まだ撮影から帰って来てませんネ」と、
独り言言います、
ハッと気が付いて正しいデータを待ちます、

ウオークイン患者の待ち時間が長くなっていると、
彼が、そっと「次の患者診ましょうか?」と、
優しくリードしてくれます、

彼が不在の間はすべて一人でやりました、
これはホンマにつらかった、
でも、元に戻りました、
さあ、今日も元気に救急やるぞ!
「来ンカイ、来ンカイ」

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