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【誤診と見逃し】

救急外来には、辛い宿命が有ります、
それは、誤診と見逃しです、
”起こる可能性のあることは必ず起こる”という格言があります、
救急は誤診の可能性大の場所です、
何故なら、救急では、今まで診ていない”初見”の患者さんを診ねばなりません、
診察に掛ける時間は数時間と短いです、
意識障害やマヒ、家人がいない、等のために詳細な所見が取れません、
ツライ、怖い、

誤診や見逃しをすると責められます、
患者の健康を侵害したわけですから責められて当然ですが、
日本は、誤診への基準が厳しい、
打率3割なんて問題外、80%なんかとんでもない、99%でもダメです、
求められるのは100%の正診率です、

その日まで5000例を正診していても、
5001例を誤診したら、許してもらえません、
過去の輝かしい業績なんて無力です、
情状酌量有りません、

もうひとつのERの辛い点と気をつけねばならないのが”多忙”です、
同時多数急病の場合は多数患者が同時に来て、それはそれで大変ですが、
予測された状況と疾患、
ERでは不定期に患者が続々と集積します、モチロン疾患は様々、
私、時には一人で13人の患者を診ます、
こういう時は危ない、
”まあイイカ”が起こります、見落としが起こります・・・、
落とし穴が大きな口をパックリと開けます、

また、救急患者にはいくらでも非典型例があります、
心電図正常のAMIがあります、
歩行してい来る大腿骨骨折あります、
意識清明のSAHがあります、

まさかの症例もあります、
誤診へ誘導する落とし穴が有ります、
見逃しを避けるためには、先入観をすてて、無心で、大きく網を広げて・・、
重量検査で診断するしか無理です
「念のため」や「ひょっとしたら」が生きます、

この前も、落とし穴患者が来ました、
81歳の男性、自転車の後部座席の乗っていて、意識障害が発生、
救急搬送されました、
来院時は意識清明になっていました、
意識障害患者には、必ず待ち時間の長い頭MRI先に申し込みます、

血液データが帰ってきました、
「CRPが24!」
ははーん、感染症による全身状態悪化のための意識障害か?
画像データが帰って来ました、
両肺に浸潤影あり、
結論「重症肺炎による全身状態悪化のための意識障害!!」
入院申し込み済、病棟への上がり待ち・・、

その時、担当医が言ってきました、
「申し込んである頭部MRI検査どうしましょう、未だ撮れてないんですが・・」
「もういい!」と、言いかけましたが、
“念のため“撮っておこう、と、言いました、
すると!!立派な脳梗塞あり、
ギャア・・、です、

救急医が朝出勤して、一番になにをするか?
前日帰宅させた患者のチェックをします、
電カルリストで、再来していると震えます、
最悪は return and die です、
帰宅の選択しても、院内なら大丈夫、駐車場で捕まえられたら大丈夫、
会計前の昏倒もセーフです、

画像検査で異常所見が指摘されると震えます、
call back を掛けて直ぐ来てもらいます、
捕まらない時はハラハラします、
繋がって、元気であると、ホッとします、
必死で喋って、直ぐに来ていただけるように説得します、
再検して、読みすぎ所見だと大安心、

これだけ気を付けても、
ヤッパリ出会います、

昔、東大の偉い内科の教授が退官記念講演で、
「私は、誤診を15%しました」と言ったら、
我々は”ヤッパリ苦労されたんですね・・”で、超納得ですが、
世間は、大騒ぎになりました、

内科の診察室は多いです、
それぞれ「1診」「2診」と名付けられます、
3,4,は良いですが、
「5診(誤診)」が問題です、マイクで「ごしんへどうぞ」案内は、まずいです、
医者と患者が嫌います、

これからも、誤診、見逃しゼロを目指して、日夜精進します!

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「皆に知ってもらいたいので、本にまとめてみました」 

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